「FXのデイトレードってどういう手法?」
「何を基準にデイトレードなの?」
FXでデイトレードをする場合、何から考えるべきでしょうか。トレードのタイミング?損切りライン?利確のタイミング?
おそらく、そのような手法の部分は後回しで大丈夫です。
特にFX初心者が最初に確認すべきなのは「自分の生活習慣」でしょう。
その理由とともに、デイトレードのやり方やコツを考察します。
- デイトレードの基本
- どの通貨ペアがいいのか
- デイトレードにおすすめの時間帯
- デイトレードの売買ルール
- おすすめのFX業者の探し方
FXのデイトレードとは【基本編】
デイトレードとは、1日の値動きで利益を狙う取引手法です。
超短期売買のスキャルピングは、高いレバレッジで1回に数銭(数pips)の利益を目指し、1日に数十回繰り返しトレードするような手法です。
デイトレードの場合、1回のトレードで10銭(pips)~50銭(pips)程度の利食いを目標に、1日数回程度取引するスタイルを指します。
また、デイトレードは一日で取引を終了させて、ポジションをゼロにして終わるのが基本です。
これは、寝る前に損益を確定して、寝ている間の相場変動の影響を受けないようにするためです。ポジションがないので、安心して眠ることができます。
また、ポジションを翌日に持ち越しませんので、スワップポイントを考える必要がありません。
1日の中で、どの時間帯に取引するかは、投資家それぞれの都合に合わせて行うことになります。それを踏まえて、いつトレードするかというのがポイントになります。
【デイトレFX】相場は時間帯ごとに値動きが異なる
FX相場は、土日を除く24時間動いています。正確には、月曜日の朝6時くらいから、土曜日朝6時くらいまでです。すなわち、好きな時にいつでもトレードできるということです。
しかし、空いた時間にトレードをする方法ですと、トレード成績は思ったほど良くない可能性があるでしょう。その理由は、値動きの特徴にあります。
通貨ペアごとに値動きに特徴があるのと同様に、1日の中でも、時間帯ごとに値動きが異なることが知られています。
- ボックス相場(レンジ相場)になりやすい時間帯
- トレンドができやすい時間帯
- 値動きの大きい時間帯
- 値動きがあまりない時間帯
- 重要な経済指標発表前後の動き
こういった重要な要素を脇において、自分が空いた時間に自由に取引するのは、好成績を出すのに不都合でしょう。
例えば、ある人はトレンドに乗って買うのが好きだとします。その場合、トレンドができやすい時間帯で取引すべきだと分かります。
レンジ相場になりやすい時間帯に、トレンド相場向けのトレードをしても、苦しい展開になると想像できます。
あるいは、トレンドも好きだしレンジ相場も好きだという場合もあるかもしれません。
そこで、ある時間帯はトレンド相場向けの手法を使い、別の時間帯はレンジ相場向けの手法を使うという方法もあります。
しかし、このような「万能選手」はあまりいないのではないでしょうか。どんな相場でも柔軟に対応できて、それぞれでしっかり稼げるならば、トレーダーとして有名になるのは難しくないかもしれません。
一般的には、そのような万能選手はいないでしょう。そこで、成功する可能性が少しでも高くなるようなトレードが必要です。
FXのデイトレードはいつ取引できるか
そこでまず考えるのは、「いつ取引できるか」です。デイトレードを毎日するかもしれませんし、週2日から週3日くらいかもしれません。
いずれの場合も、「この時間帯にデイトレードをしたいな」という時間を決めます。
例えば、朝出勤して夜帰宅するという生活を送っている場合、デイトレードは夜になるでしょう。帰宅して食事等を済ませてから寝るまでの間ですから、21時~23時くらいでしょうか。
どの時間帯でも構いません。皆様の生活習慣を考えながら決めます。
そして、現在の生活に悪影響が出てしまう時間帯を避けることが大切です。日中に働いているのに、昼にデイトレードをしようと思っても、無理があります。深夜も難しいかもしれません。
継続できそうもないからです。
この時間帯なら大丈夫だな、という時間にします。
なお、余談ですが、この作業をすると意外な効果を期待できます。それは、自分の1日を振り返ることができるという効果です。
振り返ってみて、「自分は無駄な時間が多すぎるな」とか、「この時間で何かできそうだ」だったり、「この習慣は別の時間に回した方が効率的だな」といったことが分かるかもしれません。
FXデイトレードに向いた時間帯
値動きの大きい時間帯を狙う場合、以下の時間帯でのデイトレードが候補になります。
- 日本時間の9時~11時くらい
- 日本時間の16時~18時くらい(夏時間 15時~17時頃)
- 日本時間の22時~24時くらい(夏時間 21時~23時頃)
なお、狭いレンジで小さな利食いを狙う、というデイトレードもあります。
狭いレンジですので、1回の取引で大きな利食いは期待しづらいです。そこで、数多くの取引を繰り返します。このトレード手法の場合、日本時間の日中が主な候補になります。
【参考】通貨ペア別の値動きが活発化する時間帯
当サイトでは、マネーパートナーズの取引システム【HyperSpeed NEXT】から、過去1年弱の期間について、1時間足のデータ(四本値)をダウンロードして、時間帯別変動率をグラフ化しました(グラフは省略します)。
デイトレードの時間帯を検討する際の参考にして下さい(対象通貨ペアはクロス円【○○/円】です)。
通貨ペア | 価格変動率が高い | 価格変動率が最高 |
---|---|---|
米ドル/円 | 午後4時~午後5時 | 午後10時~午後11時 |
ユーロ/円 | 午後4時~午後11時 | 午後10時~午後11時 |
ポンド/円 | 午後10時~午前0時 | 午後5時前後 |
豪ドル/円 | 午後10時前後 | 午前10時前後 |
NZドル/円 | 午前10時前後 | 午後10時~午前0時 |
取引したい通貨ペアの特徴をつかむ
取引する時間帯が決まったら、次に取引したい通貨ペアを決めます。
日本のFX市場は、米ドル/円(USD/JPY)の取引が圧倒的に多いです。そこで、米ドル/円(USD/JPY)にしてもかまいませんし、別の通貨ペアでも良いでしょう。
FX業者のスプレッド競争がとても激しいので、米ドル/円(USD/JPY)以外でも狭いスプレッドで取引できるようになりました。とてもありがたいことです。
FXデイトレードで人気の通貨ペア
FX初心者の方は、以下のことが気になるかもしれません。
- 日本では、FXの取引量(取引額)がどのくらいあるんだろう?
- どの通貨ペアの取引量が多いんだろう?
- 「売り」と「買い」の取引量の割合はどうなんだろう?
- デイトレードに向いている通貨ペアは?
そこで、金融先物取引業協会のデータを使って分析しました。日本のFX取引には、どのような特徴があるでしょうか。
FXの取引額~月間取引高
最初に、取引額の推移を確認しましょう。なお、取引額とともに、建玉も表示しています。建玉とは、ポジションを持っている(未決済の)状態で、月末を迎えた金額です。
取引金額(青線)から確認しましょう。縦軸は左側で、1メモリ百兆円です。というわけで、月間取引高は最大で600兆円を超えていることが分かります。1か月の営業日は20日くらいですから、最大の月には1日あたり30兆円も取引があったことが分かります。
FXの建玉~短期トレード派が多い
次に、FXの建玉推移を確認しましょう。下のオレンジの線です。縦軸は右側です。
取引金額に比べると、建玉はかなり小さいことが分かります。すなわち、短期トレードを繰り返している人が多いと予想できます。
例えば、1回の取引額が100万円で、毎日1回取引するとしましょう。1か月間が20日とすると、合計2,000万円です。月末に未決済のポジションが100万円あるとしましょう。
この場合、月末の建玉金額は、月間取引金額の5%になります。上のグラフを見ると、建玉は取引額の1%~2%くらいです。
ポジションを持って、長期保有している人も多いでしょう。しかし、短期トレードしている人は、1回の取引金額が大きく、売買回数も多いと予想できます。この結果、建玉の比率が小さくなっています。
日本で人気のある通貨ペア
次に、日本で人気のある通貨ペアを確認しましょう。特に確認しなくても、米ドル/円が1位だろうことは、すぐに分かります。2位以下に注目しながら確認しましょう。
下は、2019年の取引高シェアのグラフです。(データ元:金融先物取引業協会)
- 米ドル/円:57%
- ポンド/円:18%
- ユーロ/円:6%
- ユーロ/米ドル:6%
- 豪ドル/円:6%
米ドル/円の取引が圧倒的だと分かります。
「売り」と「買い」の取引量~米ドル/円
では、日本で最も人気がある米ドル/円について、取引傾向を確認しましょう。下は、買建と売建の数量の推移です。
グラフを見ると、おおむね買いポジションがいつも多いと分かります。
為替レートは上昇したり下落したりします。しかし、心理的になのか、それとも技術的な問題のためか、どうしても買って取引する方がやりやすいのでしょう。
買いの側のスワップポイントがプラスだというのも、大きな原因かもしれません。しかし、デイトレードの場合、スワップポイントを気にする必要がありません。為替レートが下落している場合は、売りで勝負すべきです。
以上は、通貨ペアに関する大まかな分析ですが、通貨ペアを決めたら、自分が取引したい時間帯の値動きの特徴を調査します。ウェブサイトを検索して調べても良いでしょう。
値動きが大きいならば、その理由を調べることが必要です。あるいは、特定の経済指標発表時刻が含まれているかもしれません。その発表時刻前後の値動きを知っておくことも必要です。
FXデイトレードに向いている通貨ペア
デイトレードに向いている通貨ペアは。以下の要素を備えています。
- 良く動く(ボラティリティが高い)
- 流動性が高い(スプレッドが狭い)
- 値動きが分かりやすい(思った方向と違う方向ばかりに行く通貨ペアは対象外)
比較的動きが大きくなければ、トレードしにくいです。
そこで、値動きが大きいユーロ/円、ポンド/円、米ドル/円、ユーロ/米ドルなどが候補になります。
スプレッドの狭さを重視する場合、米ドル/円やユーロ/米ドルなどが有力候補になります。
FXデイトレード手法を選ぶ
ここまで来てようやく、トレード手法を選ぶ段階となります。今までの内容を復習しましょう。
- 生活習慣と照らし合わせて、無理なくデイトレードできる時間帯を決める
- 取引する通貨ペアを決める
- その通貨ペアについて、取引時間帯の特徴を調べ上げる
以上3つを確認すると、適切なトレード手法がぼんやりと見えてきます。
トレンドに強い方法を選ぶべきか、あるいはレンジの方が良いのか。経済指標発表を狙うのが良いのか。いくつかイメージが浮かび上がるでしょう。
そこまで来たら次に、その狙いに適したトレード手法を探します。インターネット上で探しても良いでしょうし、自分で考えて作っても良いでしょう。
そして、「これはいいかも?」という案が見つかったら、次に進みます。
FXデイトレードの売買ルール
デイトレーダーは、「売り」で参入するのか「買い」で参入するのか、エントリーするレート、利食いレート、損切りレート、想定レンジ(レートが動く幅)を予測して、その日の売買方針を決めてトレードします。
- 利食いと損切りの幅(pips)を自分で設定したら、ルールを守る
- 利食いの幅にこだわらずに、反対に動き出したら利益確定する
- 売買方針を決めたら、中途半端な為替レートで参入しない
- 損切りをしっかりと行い、致命的な損失を回避する
ポジションを持った後は、目標地点に到達するまで、利益確定を我慢する必要があります。
初心者の場合、ずっと相場を見ていて我慢ができず、当初の予定と違う位置でポジションを持ってしまったり、利益確定を急ぎすぎたりします。
そこで、指値注文や逆指値注文などで発注して、あまり相場を見過ぎない方が良いでしょう。
時々相場を見る程度でも、十分にトレードできます。
FXデイトレードの前にバックテスト
ここまで準備ができたら、トレードの開始です。…と言いたいところですが、もう一つ階段があります。バックテストです。バックテストとは、実際に自分がトレードしたら成功できるかどうかを確かめるために、過去の為替レートを使って検証することです。
過去の値動きと将来の値動きは一致しませんから、バックテスト成績がそのまま将来に反映されるわけではありません。
しかし、バックテストで散々な成績ならば、実際にトレードするのは考えたほうがよいかもしれません。
なお、バックテストをする際、MT4などのツールを使っても良いですが、一般的には難易度が高くて大変です。そこで、チャートを見ながら考えることが多くなるでしょう。
バックテストの結果、いい感じだろうと思えば、次に進みます。
なお、FXのバックテストを簡単に行えるツールを、以下の記事でご案内しています。マネーパートナーズに口座があれば、無料で利用が可能です。
海外FXでデイトレードを始めよう
長い道のりでしたが、ようやくデイトレードができます。しかし、ここでさらに一つ考える必要があります。
「どの海外FX業者でデイトレードをするか」です。
国内からの移行や、好みのスプレッド、手数料、入金方法などがありますから自分で性能を確かめる必要があります。
海外FXでは大手で人気のある会社が限られています。
まだ目処が立っていないなら、こちらの記事からおすすめの業者を見極めてみましょう。