【バルサラの破産確率】FXのトレード破産を未然に防ぐ、投資防衛戦略

「Risk comes from not knowing what you’re doing.(リスクとは、自分が何をやっているかよくわからないときに起こるものだ。)」

上記は、投資の神様、ウォーレン・バフェット氏の言葉です。
自分が今何を行っているのか、そして何に基づいて判断を下しているのかを理解していない事態が最も危険であるということを説明しています。

これは初心者トレーダーに当てはまることなのではないでしょうか?

始めたての頃はほとんどの人が、なんとなくネットで覚えたライントレードを使いつつも、かなり直感に依存していたかもしれない。
はたまた、何も考えず有名トレーダーの発言どおりのミラートレードをしていたかもしれない。年次損益がプラスとマイナスを行き来し、一喜一憂した経験があったりはしませんか。

これらに代表される共通する「ある習性」を続けてしまうトレーダーは、確実に「破産」してしまいます。

その「破産」が、明日なのか、一ヶ月後なのか、一年後なのか…

今回の記事では、そのいつか来てしまう「破産」を未然に防ぐために、破産トレーダーに共通した「ある習性」と、その習性を改善し「破産」の可能性を劇的に下げる分析ツールを紹介していきたいと思います。

この記事の内容

・FXで破産する人の3つの特徴
・破産しない人が見る数値
・知らない人は10倍早く破産する”バルサラの破産確率”

目次

FXで破産するトレードの3つの特徴

①トレード戦略を説明できない_

初心者で破産する人の最も多い特徴として、「なんとなく直近下がってるから次は上がるかも」や「これ以上は上がんないと思ったから」といった、根拠のないトレードを行ってしまうことが挙げられます。

トレード戦略のないトレードにより失うものは大きく2つあります。それは、資金と学習機会です。

トレードの世界には、トレードを生業としている人々がいるため、戦略の説明できない行き当たりばったりの適当なトレードでは確実に勝てません。
偶然数回勝てたとしても、試行回数を増やせば当然負けが多くなり、長期的には破産する可能性が高いです。

またトレード戦略が明確に存在しなければ、自分のトレードを分析・反省することができません。

これでは、次のトレードに活かせる情報を収集することができず、トレード技術が成長することなくいつまでも負け続けてしまいます。

②1回の取引額が資産・証拠金の割合に対して大きい

すぐに破産する人のトレードの特徴として、自分の資産・証拠金の量に対して1回の取引量の割合が大きいことが挙げられます。
10万円しかもってないのに10万円一気に取引する人は、負けた場合には0円になってしまい簡単に破産します。

またFXは、レバレッジをかけて自分の資産以上の大きな額でトレードするものですが、自分の資産の維持率が200%を切るようなトレードは推奨されません。

ちなみに、証拠金維持率は以下のように計算します。(証拠金維持率=有効証拠金/利用証拠金)
例えば、証拠金が100万円の場合に、レバレッジ15倍で、9BTC、1BTC=100万円としたときには、

100×9=900万円900万円÷15=60万円
100÷60×100=166%


となるため、証拠金維持率は166%となります。

自分の証拠金が200%を切るような大きな額で取引してしまうと強制ロスカットの可能性や1回の負けトレードでの打撃が大きすぎて復帰が難しくなるので、200%を切るようなトレードはしないべきです。

以下のグラフを参考にしてほしいのですが、自分の証拠金・資産のうち50%を失うということは、それを取り戻すために必要な利益率は100%となります。

毎度取引額が資産・証拠金の割合に対して大きくトレードする方は長期的に破産する確率が高いと言えます。

【図表】

バルサラ1

自分の証拠金・資産のうちその程度トレードするかは、トレードする人間の性格やトレード手法にもよっても変化しますが、目安として300~400%ほどを維持することが良いでしょう。

③勝率しか意識していない

中級者で破産してしまうトレーダーの特徴として、勝率しか意識されていないことが挙げられます。
勝敗は単純明快であるため、意識しやすくその数値に目が行きがちになります。ただ、これでは、長期的に破産する可能性があります。

もちろん勝率が高いに越したことはないのですが、たとえ勝率が9割を超えていたとしても長期的に負けてしまうことはありえます。勝つ時の平均が100円、負けた時の平均が10000円だとしたらトータルでは平均9100円負けています。

これを脱却するためには、損益率を考える必要があります。損益率とは、《平均利益(pips) ÷ 平均損失(pips)》として算出します。簡単に言えば、勝つときは負けるときの何倍の幅勝っているのかという値になります。

損益率と勝率の関係やその応用の仕方は後ほど詳細をお話しますが、破産しないためには勝率だけを意識するのではなく損益率も考える必要があります。そしてその考え方を次の章で紹介します!

破産をしない人はこの3つの数値を見る!


FXで安定して利益をだし破産しないために最も重要なことは「長く続ければ勝てることが確実なトレードルール」に基づいたトレードをすることです。

ごく当然のように感じるかもしれませんがこのトレードルールに定石はなく、見つけ出すには自分のトレードを分析し、修正、検証、実行を繰り返す必要があります。

そして、FXで自分のトレードを適切に分析するには以下の3つの要素を考える必要があります。
・勝率
・損益率
・プロフィットファクター

です。

勝率とは全トレードの回数に対して勝ったトレードの回数の割合です。
損益率とは、勝つときは負けるときの何倍の幅勝っているのかという値です。

プロフィットファクターとは、総利益が総損失の何倍かを示すデータであり、《総利益÷総損失》として算出します。

例えば、一日のトレード利益が1.5万円、損失が0.5万円の場合には15000÷5000=3 となりプロフィットファクターは3となります。

この値が1以下の場合には損失、1以上の場合には利益がトータルで出ていることになります。
ちなみに、プロフィットファクターが2以上のシステムが理想的なものであると言われています。

損益率と勝率、そしてプロフィットファクターを考えながら分析すれば、自分のトレードにおいて修正・検証がしやすくなり、トレード方法を改善することができるようになります。

ではこれらを用いた破産確率を大幅に下げる分析手法である”バルサラの破産確率”を解説します。

知らない人は10倍早く破産する”バルサラの破産確率”

バルサラの破産確率とは

“バルサラの破産確率”とは、自分のトレードをこのまま続けていると、長期的に破産する確率がどれくらいなのかを計算したものです。
現在のトレードルールはどれほど将来的に破産のリスクがあるのか、また勝率と損益率のどちらを改善すべきかを教えてくれます。

【図表】

バルサラ2

__バルサラの破産確率の使い方__

バルサラの破産確率を利用するためにはまず自分の取引をしっかりとエクセルにまとめ上げ、勝率、利益率、プロフィットファクターを算出する必要があります。

その後、その値を用いて上記の表に自分の勝率、利益率を当てはめ、破産率を見ます。

例えば、赤い丸の人は破産確率がなんと98%もあります。では、このようなトレードをしてしまう人はどのようにトレードルールを変更すれば良いのでしょうか。

答えは損益率を引き上げることです。

損益率の計算方法は、一つ一つのトレードの平均利益をさらに伸ばすか、平均損失を低く抑えるかの2択があります。

平均利益を伸ばすには、利益確定ポイントの読み方や、エントリーポジションをもっと値幅を取れるようなひげ付近で入れるように改善すればよいでしょう。平均損失を低く抑えるには、損切りのルールを改善すべきです。

もちろん、この両方ができればベストです。

また、青い丸の人は36.6%の破産確率があります。先程の98%に比べれば全くダメという数字でもないですが、もちろんトレードルールを改善すべきです。

この場合は、まず勝率を上げることに集中すべきですね。勝率を上げるにはチャートパターンやチャート分析の精度や、エントリーの判断の見直しが必要です。

このように、バルサラの破産確率を用いることで勝率と損益率から破産確率を確認し、トレードの改善点を探る事ができます。
破産確率を最小限にしつつ、プロフィットファクターを最大限にできるものが、もっともFXで大きな資産を獲得できるトレードルールということになります。

目指すべきは破産確率0%!_

このバルサラの破産確率を用いたトレードルールの改善の中で目指すべきはもちろん破産確率は0%です。

長期間続ければ確実に勝ち続けられるトレードルールにするためには、0%が理想であり、二桁台の%ではFXで大きな資産を築いていくのは非常にリスクが高いと言えます。

ただ、もちろんチャートの行き先を確実に見極めるのは難しく、破産確率を0%にすることは非常に難しいです。そのため初期の目標としては、破産確率一桁がいいでしょう。

まとめ

この記事のポイント

・「トレード戦略を説明可能にする」「証拠金維持率は200~300%」「勝率、損益率、プロフィットファクターの3 つ」を意識しながらトレードを行わなければ破産する可能性が高い。
・長期的に破産せず資産を増やせるトレードルールを見つけるには、現状の自分のトレードを数字に基づいて分析し、修正実行し改善していくことが必要
・バルサラの破産確率は自分のトレードルールの分析、修正のための1つのツール。


自分のトレードが破産する可能性が高そうと感じたあなたは今すぐ自分のトレードを見直してみましょう。

トレードはゼロサムゲームなので、全員が儲かるということはありえませんが、今より自身をリスクから守ったり、適切なリスクの取り方をすることで今より良い結果を出すことは可能です。

是非私が運営する「仮想通貨道場」に参加して、より良いトレードを目指していきましょう!

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この記事を書いた人

イーストのアバター イースト Webディレクター兼トレーダー

・慶應義塾大学経済学部
・1級ファイナンシャルプランニング技能士
・証券アナリスト(CMA)
・証券外務員一種
・TOEIC895点

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