海外FXの損切|実際の画像で損切り目安・ルール・設定方法をやさしく解説!

FX取引にかかわらず、相場で利益をあげるためにもっとも重要な要素の一つが損切りといわれます。日本の相場格言にも「見切り千両、損切り万両」という言葉がありますが、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

「損をしたくないのになぜ損切りがそこまで重要?」
「そもそも、どのように損切りすればいいの?」

という疑問を抱いている方が多いと感じます。
そこで今回は、「損切りの重要性」や「具体的な損切りのポイントやタイミングはどうすればよいのか」「強制ロスカットとゼロカット」などについて解説します。

目次

海外FXにおける損切とは?

そもそも、FX取引の「損切り」には以下の3種類があります。

  1. ストップロス:トレーダーが、想定した利益額よりも小さな損失額で抑えるため設定するトレードコストのこと→唯一トレーダーが自らが設定できる「損切り」になります。
  2. 強制ロスカット:ユーザーの資産がマイナス(借金)にならないよう防ぐため強制的に損切りする仕組み→取引システムのなかにFX業者により組み込まれている仕組みですが金融ショックが発生すると機能しません。
  3. ゼロカット:もし口座残高がマイナスになった際に、FX業者がマイナス残高をユーザーの取引相手に肩代わりしてくれる仕組み→海外FX業者だけが採用しているシステムであり、国内FX業者にはない機能です。

③のゼロカットがない国内FX業者で取引をしている人の中には借金を作ってしまった人が多く存在します。一方、海外FXで取引をしている人には借金を抱えた人は存在しません。

そもそも、相場において損失を100%避けることは不可能です。天才トレーダーといわれる人達でも勝率が100%の人は存在しません。

そんな相場のなかで、利益と利益よりも小さな損失を繰り返してトータルプラスで終えられるかを目指すのがFXトレードといえます。収支をトータルプラスにするためには、損失をコストと捉えコストを上回る利益をあげる必要があります。

そこで、コストを抑えるためトレーダー自らが活用するのが「損切り」(ストップロス)です

プロトレーダーは、エントリーポイントを探す前に根拠のある損切りポイントを探して逆算方式でエントリーポイントを模索しろと言います。それくらい損切りポイントと損切りを実行することは重要なのです。

海外FXの損切りのやり方

誰しも損失を嫌うのは当然です。そのため、損切りのタイミングが遅くなってしまい、損切りした途端に反発したなどという経験をしている人も少なくないでしょう。これは、ほとんどが損切りのタイミングが遅いのが原因です。

戻ってくるのに損切りするの?とよく訊かれます。戻ってくるかどうかではなく、そもそも想定と違うことが起きているのに戻ってくるとの想定もできないから損切りするのです。そうすれば、それ以上の損をすることはありません。

本来、損切りは、狙う利益とコスト(リスク)という考え方が重要です。

トレードの「損切り」は、ビジネスにおけるコストと捉えれば受け入れることができるのではないでしょうか?

ここでは、FXの損切りの具体的な3つのやり方について解説します。

海外FXの損切りのやり方
  • FXの損切り方法①:値幅で判断
  • FXの損切り方法②:損失額で判断
  • FXの損切り方法③:利益と損失額の比率で判断
損切りできない例
適切に損切りできず大損するパターンイメージ

海外FXの損切り方法①:値幅で判断

値幅を損切り基準にする方法です。たとえば、買値から50銭下がったら損切りするなど買い(又は売り)注文てポジションをもった価格から、予測に反して反対方向に相場が動いた場合、損切りしましょう。

直近安値や120円・125円のようにキリの良い節目の数値、上値・下値抵抗ラインなどを○○pips割り込む又は上抜けたところに損切りラインを設定します。

海外FXの損切り方法②:損失額で判断

損失額を損切り基準にする方法もあります。たとえば、「損失額が5,000円に達したら損切りする」など、損失額を基準に損切りします。

自身で決めた損失額に達したら、この取引は諦めるという意思決定ができるため、ビジネスライクに判断できるのが特徴です。更に以下の表のとおり、何pips動いたらいくらになるということを取引量に応じて認識しておけば便利なので、覚えておきましょう!

取引量1pipあたりの金額
1,000通貨(0.01ロット)10円
10,000通貨(0.1ロット)100円
100,000通貨(1ロット)1,000円
1,000,000通貨(10ロット)10,000円

海外FXの損切り方法③:利益と損失額の比率で判断

もう一つ重要な損切り方法が、狙う利益と損失額の比率で損切り基準を判断する方法です。「リスクリワード」とも呼ばれています。

損切り-リスクリワード基準
出典:MetaTrader5

上の図のとおり、利益1.2:損切り1以上の割合(リスクの1.2倍以上の利益)で設定するのが基本です。この割合未満の利益しか期待できない相場ではエントリーしません。

簡単にいうと、「割に合わない相場」は取引しないということですね。

このように、リスクリワードを意識した損切り基準を設けることで、無駄な負けトレードをかなり減らすことができます

割に合う相場に絞った取引をしましょう!

【画像で解説】海外FXの損切りを設定する方法は?

FXの損切りを設定する方法を解説します。ここでは、MT5を例にもっとも簡単な方法を紹介しますが、MT4でも同様ですから参考にしてください。

mt5-btcjpyチャート
出典:MetaTrader5

上の図はMT5のbtcjpy(ビットコイン/円)の15分足チャートです。今日は日曜日のため、仮想通貨しか動いてないので、このチャートで解説します。

今回は以下の図のとおり、指値買いをするところからはじめます。

mt5-指値買いの仕方
出典:MetaTrader5

①買いエントリーする価格付近にマーカー(カーソル)を合わせ、左クリック
②メニューが表示されるので、「Buy Limit」を左クリック

すると以下の図のとおり、指値買い注文ライン(グリーン点線)が表示されます。この段階ではStop lossラインは未表示です。

mt5-エントリー後Stop-loss状態
出典:MetaTrader5

上の図のStop lossラインは以下の手順で設定します。

①指値買いラインを左ダブルクリック

②以下の、ポジション設定画面が表示される

mt5-stoploss設定
出典:MetaTrader5
mt5-stoploss設定2-
出典:MetaTrader5

③上の図のStop loss設定数値入力欄の横にある▼ボタンを左クリック

上の図のとおり、指値価格と同じ価格がSTOP Lossの入力欄に表示されます。

mt5-stop-loss設定3
出典:MetaTrader5

④左クリックし続けると、Stop lossの価格が下がり続ける
⑤設定したい価格に到達したら、「変更」ボタンを左クリック

以下の図のとおり、Stoplossライン(赤の点線)が表示されますので、同様にTarget point(Take profit)ラインも設定しましょう!

mt5-target設定1
出典:MetaTrader5

StoplossとTakeprofitを設定すると、ポジション設定画面は以下のとおりになります。

mt5-stoplossとtargetpoint表示
出典:MetaTrader5

この例では、リスクリワードが2倍以上になっていることが、ポイント欄の数値で確認できます

このストップロスの設定はエントリー前か後でも結構ですから、必ず行いましょう。

なお、エントリー後は、エントリー価格ラインを左クリックでドラッグして、ストップロス価格やテイクプロフィット(利確)価格にドロップするだけで設定することもできます。MT4も操作手順は同じです。

MT5のストップロス設定方法の解説は以上です。

海外FXの損切りに関する注意点は?よくあるQ&A

FXの損切り(Stop Loss)に関する注意点を、よくある質問Q&Aを抜粋してご紹介しますので、参考にしてください。

海外FXの損切りに関する注意点
  1. 損切り貧乏にならないためには?
  2. 損切の目安を教えて
  3. トレード手法によって、損切りのボーダーは変わるの?
損切り貧乏にならないために出来ることは?

「損切り貧乏」とは損切りで資産をどんどん減らしてしまう人のことを言います。

損切り貧乏の考えられる原因
  1. ポジションを持つ(エントリー)タイミングが悪い(又は遅い)ため、リスクリワードが悪化している
  2. 損が出る(含み損)と、直ぐに損切りしてしまう、または損切りが遅すぎる
  3. トレード回数が多すぎて、小さな損失が積み重なって大きな損失になってしまっている

これら原因を回避するためには、以下の方法が考えられます。

損切り貧乏の対策
  1. エントリーする相場はリスクリワードが良い(1.2倍以上)相場に厳選してエントリータイミングを外さない。
    遅れた場合はエントリーせず、次のチャンスを待つ
  2. ストップロスを設定し、そこにレートが達するまで損切りしない
  3. エントリーする相場を分かりやすい相場に厳選して、優位性が低い相場ではエントリーしないようにする

特に取引する相場を厳選することが重要で、「なんとなく上がりそうだ(又は下がりそうだ)」でエントリーしないようにしてください。きちんと、テクニカル分析を行って根拠が明確なトレードを心がけることです。

また、良いタイミングでエントリーするための、自分なりの基準を設けましょう。損切り(ストップロス)もリスクリワードに基づいて設定しましょう。

加えて、相場が急変動している最中にはスプレッドが大きく広がりやすいので、ストップロスに引っかかりやすいため、エントリーしないなどのルールを設けることも大切です。

日本時間の早朝の時間帯や日本市場・ロンドン市場・ニューヨーク市場が休場の時間帯も同様に大きくスプレッドが広がりますので、取引は控えてください。

結局は自分に合ったトレードをするのが一番です!
↓自分に合ったトレード手法を知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓

FXでの損切の目安はどのように見つければいいのか

損切り(コスト)の目安は、バルサラ破産確率から求めることができます。バルサラ破産確率とはトレード資金がなくならないことを目的に、1回あたりの適切な取引量を求める計算式のことです。

一つの目安として以下の設定を検討してみてください。

損切りの目安
  • 1回あたりのトレードコスト(損切り損失額)をトレード用資金の最大2%の範囲で抑える
  • 1回あたりのリスクリワード(リスク対利益率)を1.2倍以上に設定し、その期待ができる場面でしかエントリーしない
  • 勝率は50%を維持することが前提

詳しくは、関連記事「損切りのルールを決めてない、実行してない」を参照してください。

トレード手法によって、損切りの目安は変わる?

トレード手法は、スキャルピング・デイトレード・スイングトレード・ポジショントレードに大別されます。これらの手法の中で長期になればなるほど狙う利幅は広くなる分、損切り幅も広くなります

たとえば、最も長期目線となるポジショントレードで月足チャートを見て直近安値を確認してみてください。おそらく、現在値からみると数百pipsになる筈です。しかし、1分足や5分足でみると、大きくても数十pipsの範囲で収まります。

このように、短期取引と長期取引では、損切り幅が変わってくるのです。

そのため、長期目線で取引をされる場合は、入金ボーナスやポイントバックなどが充実した業者や口座タイプを選択することをおすすめします。

海外FXの損切り まとめ

FX取引でもっとも重要な要素の一つである「損切り」をテーマに解説しました。

最後に当記事のポイントを以下にまとめましたので、ご参照ください。

海外FXの損切りまとめ
  • 損切りの損失はトレードのコストでありコストなので放置せず適切に実行する(抑える)ようにする
  • 損切りは、狙う利益と損失額の比率で判断することが重要
  • 損切りのコストは、取引が長期目線になるほど高くなる傾向がある
  • 損切りコストの目安は、1回あたりの取引で資金の2%以上を失わない範囲の取引量と値幅を模索して決めるとよい
  • 損切り貧乏にならないためには、取引をする相場のリスクリワードが1.2倍以上の利益が獲れることが期待できる相場に厳選することが重要

以上、相場格言「損切り万両」の価値を知って、当記事を参考に損切りを実行しましょう。そして、継続的かつ有意義なトレードライフを楽しんでいただけましたら幸いです。

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この記事を書いた人

一条光太郎のアバター 一条光太郎 13年トレーダー

月間700万PVの金融メディアの運営経験あり
FP(ファイナンシャルプランナー)1級
・その他複数の金融メディアを運営中
・FXトレード歴13年目
外資系事業会社のファミリーオフィスで自己勘定取引経験あり

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