為替ヨーロッパ・ロンドン市場の特徴を徹底解説!取引時間・ロンドンフィックス・注意点まで徹底網羅!

ヨーロッパ・ロンドン市場は、圧倒的にロンドン市場の取引量が多く、数時間の時差しかない欧州は、ロンドン市場に組み込まれてしまう形になります。

FX取引では、ドルや円を介在しないユーロ対欧州通貨、ポンド対欧州通貨のクロス取引が活発に行われています。

では、値動きの特徴や、トレードする場合の注意点などについて確認しましょう。

目次

為替のヨーロッパ・ロンドン市場とは

為替のヨーロッパ・ロンドン時間

世界1のFX取引量を誇るロンドン市場は、日本時間の16時〜深夜0時*夏(冬時間は17時〜深夜1時)の間で開いています。

ロンドン市場の主な特徴は2つあります。
1つ目は、主役通貨はユーロであるということ。ロンドン=イギリスなのでイギリスの基軸通貨であるポンドだと思う方もいるかと思いますが、ユーロの方が市場の流動制が高く多くのトレーダーに好まれています。

2つ目の特徴は、ロンドン時間はロンドン以外にもドイツのフランクフルトやスイスのチューリッヒの市場と時間が被っているということです。様々な市場が開いているため、ロンドン時間には市場参加のトレーダー数・取引量が増える傾向にあります。

ここからはそんなヨーロッパ・ロンドン市場について詳しく解説していきます。 目次  

ヨーロッパ・ロンドン市場の値動きの傾向

ヨーロッパ市場では、日本時間の夕方4時ぐらいからイギリスや欧州の経済指標が出てくると、それまでのチャートの動きと関係なく、大きく相場が動く場合があります。

また、アジア時間にできたポジションについて、ヨーロッパ勢が損切りさせようと仕掛けてくることがあることも、頭の中に入れておく必要があります。

なお、この「損切りさせようと仕掛けてくる」ですが、実際にそのように意図して取引しているのか、誰にも断定できません。

しかし、現実の値動きを見ていると、そのように考えるのが合理的だろうという値動きが時折みられます。

知っておくべきポイント

アジア時間にできたポジションについて、ヨーロッパ勢が損切りさせようと仕掛けてくることがある!!

アジア時間からヨーロッパ時間にかけての値動き例

アジア時間からヨーロッパ時間にかけての、時折みられる値動きを確認しましょう。

下の青い曲線は、米ドル/円(USD/JPY)の推移です。そして、左側はアジア時間、右側はヨーロッパ時間(欧州時間)です。

ヨーロッパ時間の米ドル/円の値動き図

アジア時間は、比較的穏やかな値動きが多いです。ところが、欧州時間に入ると、いきなり動意づくことがあります。上のチャートでは、円安方向に動いています。

この値動きに乗らなければ!と思い、米ドル/円を買うと、今度は円高方向に一気に進むというパターンです。買い取引をしていたら、損切りになります。

この上昇と下落が起きる理由は、分かりません。しかし、時々この動きが見られますので注意です。

欧州勢参入時間でのポンド/円【GBP/JPY】の値動き例とトレードチャンス

下のチャートは、ヨーロッパ勢が動き出す時間帯のポンド/円【GBP/JPY】の例です。アジアの時間帯に形成された上昇トレンドが、見事に短時間で急落に転じています。

こうした例は、ポンド/円【GBP/JPY】に限ったことではありません。

ヨーロッパ時間のポンド/円チャート図

運良くこの動きに遭遇しましたら、デイトレードのチャンスです。

上のチャートでは、取引ポイントが2つあります。

デイトレードのチャンス!

  • 円安方向から円高方向に反転するとき
  • アジア時間の最も円高のレートを超えて、さらに円高に進むとき

1で取引を開始する方が、大きな利食い幅を期待できます。

しかし、1で取引を始めるのは、難易度が高いです。2の方が、確実度が高いです。その分、トレードが成功するときの利幅は小さくなります。

ヨーロッパ・ロンドン市場の注意点を実際の値動きで確認

ここまで確認した内容を、ポンド/円の15分足チャートで確認しましょう。下のチャートは、セントラル短資FXからの引用です。

ヨーロッパ時間の下落局面(ポンド/円15分足チャート)

上のチャートのままでは分かりづらいので、赤枠と矢印を追加しましょう。下の通りです。

アジア時間の赤枠部分は、レンジ相場になっています。そして、ヨーロッパ市場が始まるかどうかというあたりで、いきなり円安方向に動きました。

その後、急反転して円高になったので、長い上ヒゲができました。その後も、円高方向に進んでいます。

もう一つ、確認しましょう。下のチャートです。

ヨーロッパ時間の上昇局面(ポンド/円15分足チャート)

こちらも、赤枠と矢印を追加しましょう。下のチャートの通りです。

こちらは、アジア時間が終わるころに、急に円高方向に進んでいます。そして、ほどなく円安方向に反転して、そのまま上昇しました(夜に、再び円高になっています)。

いつもこのようなパターンになるとは限りません。しかし、このパターンが出れば、「いつもの値動きかも?」と警戒できます。

近い将来に発生しやすいパターンを知っておくのは、実戦で有利に働くでしょう。

最後に、上の2つと異なる例を見てみましょう。米ドル/円の値動きです。

米ドル/円チャート(ヨーロッパ時間に急落する様子)

この例の場合、アジア時間のレンジは、今までと同じ。しかし、欧州勢が参加する頃に円高になったら、反転しないでそのまま下方向に進んでいます。

上の3つの値動きで共通するのは、「アジア時間では穏やかだったのに、いきなり値動きが大きくなる場合がある」ということです。

あらゆる値動きを追いかけて取引するのは、事故の元です。

自分が最も分かりやすい、取引しやすい値動きで取引して、その他の値動きは全て傍観すると、トレード成績が向上しやすいです。

実際のところ、資産を増やしているトレーダーというのは、自分が得意な場面だけで取引しています。その他の部分は、取引しないで見送りです。

この値動きを狙う取引には、いくつかのメリットがあります。

  • 取引開始時間が何となく分かる
  • 値動きパターンがいくつかある

取引チャンスがいつやってくるか分からないというのは、とても疲れます。それに比べると、この値動きを狙うのは、ストレスが少なくて済みそうです。

ヨーロッパ圏各国の経済指標発表の扱い方

FXの波乱要因として、各国の経済指標発表があります。発表があると、為替レートが大きく動くことがあるからです。

値動きがあるので収益チャンスですが、突発的な値動きは厄介です。

そこで、事前に経済指標発表時刻を確認しますが、アジア市場やニューヨーク市場とは異なる特徴に気づくでしょう。それは、指標発表の頻度が高いということです。

欧州には、経済的に影響力が強い国が、いくつかあります。

  • イギリス
  • ドイツ
  • フランス

さらに、ユーロ圏全体の指標発表があります。

これらに加えて、アメリカの重要な経済指標は、アメリカ時間の朝(ヨーロッパ市場の昼)に発表される傾向にあります。すると、経済指標発表が入り乱れる場合があります。

経済指標に敏感になりすぎると、全くトレードできないかもしれません。しかし、無視することもできません。どうすれば良いでしょうか。

この場合、下の2つを重点的に確認します。

  1. ユーロ圏の指標発表
  2. アメリカの指標発表

さらに、上の2つの中でも、重要だと一般的に言われている数字だけ注目します。こうすることで、精神的な負担を減らすことができます。

ロンドンフィキシングとは

なお、ヨーロッパ市場での動きを予測する上で注意すべき点は、「ロンドンフィキシング」と呼ばれる時間帯です。

これは、ロンドン時間の16時(夏時間ならば日本時間の午前0時、冬時間なら午前1時)のことで、この時間帯には、大口顧客が取引する場合があり、それがマーケットを大きく動かすことになります。

あわせて読みたい
為替オセアニア市場の特徴を徹底解説!時間や値動きの傾向・窓を狙ったトレードなど徹底網羅! 目次   為替のオセアニア市場とはウェリントン・シドニー・オセアニア市場の特徴と注意点ニュージーランドの経済指標の見方と傾向ウェリントン・シドニーオセアニア市場...
あわせて読みたい
為替アジア市場の特徴を徹底解説!取引時間・経済指標・ゴトー日など徹底網羅! 目次   為替のアジア市場とはアジア市場の値動きの特徴とゴトー日中国の経済指標発表の見方とトレードについてTWI(Trade Weight Index)とはオーストラリアの雇用統計発...
あわせて読みたい
為替ニューヨーク市場の特徴を徹底解説!時間・休み・サマータイム・市場参加者の特徴を網羅 為替市場の最後を務めるアメリカのニューヨーク市場。ニューヨーク市場は、ヨーロッパ・ロンドン市場とは半日重なっており、ニューヨーク市場がクローズする頃にはウェ...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

イーストのアバター イースト Webディレクター兼トレーダー

・慶應義塾大学経済学部
・1級ファイナンシャルプランニング技能士
・証券アナリスト(CMA)
・証券外務員一種
・TOEIC895点

目次