FX8つの注文方法|成行・指値・逆指値・OCO・IFD・IFO・トレール・ストリーミング全て解説!

「FXって様々な注文方法があって分かりにくいな、、」
とお悩みではないですか?

確かにFXにはいくつもの注文方法があり分かり辛いところはありますが、FXで勝つためにはそれぞれの注文方法を理解して使えるようになる必要があります!

この記事では、FXで必須な8つの注文方法をそれぞれ解説します!
興味ある注文方法から目次でご覧ください!

目次

成行注文:その場で取引が成立する注文方法

FXで最も基本的な注文方法は、成行注文(なりゆきちゅうもん)です。
この注文方法をマスターすると、とりあえずFXができるようになります。そこで、特徴を確認しましょう。

成行注文は、「今表示されている為替レートで買いたい・売りたい」という時に有効な注文方法です。

為替レートを指定せず、取引画面を見ながら注文する方法ですから、すぐに注文を出せて売買も成立しやすいという特徴があります。

株の売買では「株価はいくらになってもいいので、買いたい・売りたい」という時に使われるのが、成行注文です。

FXの場合は「現在の為替レートですぐに売買する」という意味合いを持ち、「マーケット注文」「プライスオーダー」「クイックトレード」などと呼ばれることもあります。

成行注文の概念図

たとえば、1ドル=115円50銭(bid)-115円55銭(ask)というレートであれば、ドルを成行注文で買えば、1ドル=115円55銭で買うことができます。

逆に、ドルを成行注文で売れば、1ドル=115円50銭で売ることができます。

表示された為替レートが気に入らない場合には、希望の為替レートになるのを待って注文します。

成行注文の注意点:スリッページには要注意

相場は常に動いていますので、為替レートもリアルタイムで変動します。

成行注文は、「確実に売り買いが成立する」メリットがある反面、幾らで売買されたかは、「約定されたあとでなければ分からない」というデメリットもあります。

上の例で、1ドル=115円50銭-115円55銭というレート表示のときに、成行で買い注文を発注したら、約定レートが115円54銭だった…こういう結果だったら大歓迎です。

しかし、『約定してみたら115円56銭だった』では納得がいかないかもしれません。

この、期待した為替レートと約定した為替レートに差が出てしまうことを、スリッページといいます。

頻繁に為替レートが変わる局面では、約定ボタンを押したあと、その注文がFX業者に届く前に為替レートが変わることがあります。

この場合、最新の為替レートで注文が成立します。

スリッページの概念図

クリックしてからFX業者に発注が届くまでの時間は、0.01秒未満かもしれません。しかし、ゼロではありません。このため、スリッページを避けるのは難しいです。

  • 表示レートよりも高く買う場合がある
  • 表示レートよりも安く売る場合がある

スリッページが発生すると

成行注文では、現在のレートを指定して注文を出すことができません。よって、現在の表示レートよりも不利な為替レートで約定する可能性があります。

有利な為替レートで約定する可能性もあります。

成行注文が有効に使える場面

以上の考察から、成行注文を効果的に使える場面は、例えば以下の通りです。

為替レートよりも、今すぐ約定させることを優先したい

  • (例1)今すぐ損切りしないと大変だ!という状況
  • (例2)売買シグナルが出たから、すぐに取引したいとき

小さいスリッページなら、誤差として片付けられる場合

(例)200銭の利幅を狙って、スイングトレードをするとき

成行注文のメリット・デメリット【まとめ】

特徴を簡潔にまとめます。他の注文方法も覚えていく上で、以下を抑えておけばOKです。

成行注文のメリット:現在の値動きを確認しながら注文を出せて、確実に売買が成立する。為替レートを指定する手間が省ける。

成行注文のデメリット:注文した時点の為替レートで約定するとは限らない。実際に約定した為替レートは、約定後に確認するまで分からない。

指値注文:為替レートを指定して取引する注文方法

指値注文は、売りたい為替レート・買いたい為替レートを指定して取引する方法です。

為替市場は絶えず変動していますから、いつも自分の希望通りの為替レートになるとは限りません。
指定した為替レートで取引したい、パソコンの前でじっと待ちたくない場合、指値注文が便利です。では、特徴を確認しましょう。

指値注文の概念図

たとえば、米ドル/円=99円前後で変動している時に、100円まで上がったら売りたいという希望がある場合、100円で指値売り注文を出します。(上図・左)

その逆に、米ドル/円=100円前後で変動している時に、99円まで下がったら買いたいという希望がある場合、99円で指値買い注文を出します。(上図・右)

このように、指値注文は「今よりも高い為替レートで売りたい、今よりも低い為替レートで買いたい」場合に使える注文方法であり、利益確定の場合にも利用されます。

また、指値注文はリミット注文と呼ばれることがあります。

では、下の取引例で見てみましょう。

指値注文の取引例1(買い注文から始める場合)

指値注文の買いの例

現在の為替レートが米ドル/円=100円の時、99円で新規の買い指値注文を出しました。めでたく約定し、99円の買いポジションを持つことに成功です。

レートが上がりはじめたので、米ドル/円=101円で決済の売り指値注文を出しました。相場が上昇して、101円に到達した時点で注文が約定し、2円の利益確定です。

指値注文の取引例2(売り注文から始める場合)

売りの指値注文図

現在の為替レートが米ドル/円=100円の時、101円で新規の売り指値注文を出しました。めでたく約定し、101円の売りポジションを持つことに成功です。

為替レートが下がりはじめたので、米ドル/円=99円で決済の買い指値注文を出しました。相場が下落して、99円に到達した時点で注文が約定し、2円の利益確定です。

実際のチャートを使った取引例

ここで、実際のチャートを使った取引例を考えましょう。下は、米ドル円の日足チャートです(FXプライムbyGMOから引用)。

右端あたりを見ますと、ほとんど値動きがありません。値動きがないということは、狭い範囲でレンジ相場になっているということです。

指値注文の実例チャート図(米ドル/円日足)

そこで、レンジの上限で売るというプランを考えました。日足では良く分からないので、1時間足に変更します。下図の通りです。

指値注文の実例チャート図(米ドル/円1時間足)

赤線が、レンジ相場の上限です。為替レートが赤線の位置まで上昇すると、なぜか反落している様子が分かります。

次回も、為替レートが赤線まで来たら反落するだろうと期待する場合、赤線あたりの為替レート(107円90銭くらい)で売ります。

なお、成行で売ろうと思うと、為替レートの動きを見続ける必要があります。なぜなら、為替レートがいつ売り時になるか、分からないからです。

そこで、指値注文を使うと便利です。

「米ドル円が107円90銭になったら、売り」という注文を、あらかじめ出しておきます。こうすれば、スマホやPCの電源を切っても大丈夫。FX業者が、適切に注文を執行してくれます。

指値注文の注意点

上の例で、1ドル=107.90円で売り注文を出しても、為替レートが実際に107.90円にならなければ、約定しません。

上のチャートを見ますと、間違いなく107.90円になるでしょう!と言いたいですが…将来の値動きがどうなるか、事前には分かりません。

そこで、約定する確率を上げたいという場合は、現在の為替レートに近い水準で指値注文を使うと有効です。

指値注文のメリット・デメリット【まとめ】

指値注文のメリット:約定する為替レートが、あらかじめ分かっている。希望する為替レートで注文可能。

指値注文のデメリット:希望する為替レートが実現しない限り、取引は成立しない。

逆指値注文:現在よりも不利な為替レートで注文する方法

逆指値注文は、現在の為替レートより上がったら買う、下がったら売るというように、指値注文と逆の注文を出す方法です。

新規注文だけでなく、利益確定、損失限定など、色々な場面で利用できる重要な注文方法です。

逆指値注文(ストップオーダー)の概念図

指値注文と逆指値注文を区別すると、下表のようになります。

現在の為替レートより高い現在の為替レートより安い
買い注文逆指値指値
売り注文指値逆指値

自分にとって不利な為替レートで注文しますが、次の特徴やメリットを期待しての注文方法です。

  • 相場のトレンドにうまく乗りやすい
  • 損失を確実に止められる
  • 一定の利益を確保する

また、損失を止めるオーダーによく用いられるため、ストップ注文あるいはストップ・オーダーとも呼ばれています。

では、いくつかの利用パターンを確認しましょう。

逆指値注文はトレンドの上昇に乗りやすい

為替相場は、一度動き出したら一方向に動く傾向にあります。

上昇トレンドになる場合、それが続くことを想定して、今の為替レートより高くなったら買い、逆に、下降トレンドが続くと想定して、今の為替レートよりも低くなったら売り注文を出します。

逆指値注文でトレンドに乗るイメージ

たとえば、現在米ドル/円=115円であり、もし為替レートが116円まで上昇したら、上昇トレンドになったと判断するとします。

この場合、116円になったらドル買いするという注文を、あらかじめ出しておきます。

また、現在米ドル/円=115円であり、もし為替レートが114円まで下落したら、下落トレンドになったと判断するとします。

この場合も、114円になったらドル売りするという注文を、あらかじめ出しておきます。

このように、上昇トレンド・下降トレンドに移ったと判断した場合に、そのトレンドに自動的に乗れるように、あらかじめ注文しておくのが逆指値注文です。

逆指値注文は損失を限定できる

相場は予想どおりに動くとは限りません。

もし、相場が予想と反対の動きをした場合でも、できるだけ損失を小さくしたい、あるいは損失をあらかじめ限定しておきたいという場合に、逆指値注文が有効となります。

たとえば、現在の為替レートが 米ドル/円=115円だとします。相場が上昇すると予想して買いポジションを持った場合、予想通りだと利益になります。

もし、予想が外れて下落すると、大きな損失になる可能性があります。

そこで、「損失は最大でも1円までに抑えたい」という場合は、米ドル/円=114円で売るという注文を出します。

そうすることによって、予想と反して円高に動いた場合でも、最大損失を1円に抑えられます。

逆指値によるストップ注文イメージ

この注文方法はストップロス注文とも呼ばれ、ポジションを保有している場合、損失が拡大しないようにする手法として有効です。

利益を確定する

逆指値注文は、損失を抑える効果の他、利益を確定するためにも使われます。

逆指値で利益確定注文のイメージ

たとえば、円安になると予想して米ドル/円=110円でドルを買ったとします。相場が予想どおり動き、115円まで上昇しました。

一定の利益を確保したい場合には、113円に逆指値注文を出しておくことで、米ドル/円が115円から113円に下がった場合でも、3円の利益を確定できます。

このように、相場が予想どおりに動いた時は、逆指値注文を変更することで、一定の利益確保を狙えます。

実際のチャートを使った逆指値注文の取引例

ここで、実際のチャートを使った取引例を見てみましょう。下は、米ドル/円の1時間足チャートです(FXプライムbyGMOから引用)。

逆指値注文の実例チャート図

為替レートが赤線の部分まで上昇すると、なぜか反落するという傾向が分かります。そこで、次回も同様になるだろうと考えました。

現在の為替レートは赤線よりも下ですから、もう少し上昇してから売りたい。その後、一気に下落してくれるのが希望です(実線の動き)。

ところが、破線のように、為替レートは上昇を続けるかもしれません。赤丸部分で売ってから上昇を続ける場合、含み損が大きくなってしまいます。

どこかで、損切りしなければなりません。この場合に、逆指値注文が役立ちます。

売りポジションを持ったら、「為替レートが108.10円になったら買い」と、逆指値の決済注文をあらかじめ出します。こうすれば、損失の拡大を回避できます。

OCO(オーシーオー)注文:同時に2つの注文を出し片方だけ成立する注文方法

OCO(オーシーオー)注文は、一度に二つの注文を出して、どちらかの注文が約定したら、もう一方の注文が取り消しになるという注文方法です。

OCO注文の概念図(基本編)

「為替レートが今よりも高くなるときはこうしたい、逆に安くなる時はああしたい」という、場合分けの取引が可能となりま

OCO(オーシーオー)注文の基本

最初に、新規取引の注文方法について確認しましょう。

指値で新規ポジションを発注「売り」「買い」を指値で同時注文

下図は、指値注文で「売り」と「買い」を同時に発注する様子です。

OCO注文の指値注文の概念図

現在の為替レートは、米ドル/円=105円だとします。

もう少し高い為替レートなら売りたいと考えて、106円で売る指値注文を発注しました。同時に、もう少し安い為替レートになったら買いたいと考えて、104円なったら買いという注文を発注しました。

OCO注文を使えば、この発注が可能です。そして、相場が上昇して売りの注文が約定すると、もう一方の買いの注文は、自動的に取り消されます。

その逆に、相場が下落して買いの注文が約定した場合、売りの注文は自動的に取り消されます。

逆指値で新規ポジションを発注「買い」「売り」を逆指値で同時注文

次は、逆指値注文によるOCO注文の例です。指値注文と同じく「買い」と「売り」を同時発注します。

OCO注文の逆指値注文の概念図

現在の為替レートは、米ドル/円=105円だとします。

上昇トレンドになったら買おうと考えて、106円なったら買う逆指値注文を発注しました。同時に、下落トレンドになったら売ろうと考えて、104円なったら売るという逆指値注文を発注しました。

このOCO注文も、どちらかの注文が約定すると、もう一方の注文は取り消されます。

以上が、OCO注文で新規ポジションを持つ場合の取引方法例です。次に、決済注文での活用方法を確認しましょう。

OCO注文方法の活用方法①:利益と損失を確定する

OCO注文の利益確定と損切り注文の概念図

たとえば、上昇トレンドに乗って、米ドル/円=105円で買いポジションを保有しました。

この先も上昇する場合、一定の利益を確保するため、米ドル/円=107円で売りの指値注文を発注しました。同時に、下落する場合は損失を限定するため、104円で損切りする注文を発注しました。

OCO注文を使うと、この2つの注文を同時に発注できます。

このケースでは、予想どおり米ドル/円=107円になったら2円の利益が確定し、逆に104円に振れたら、1円の損失が確定します。

OCO注文方法の活用方法②:保有ポジションの利益を確保する

米ドル/円の買いポジションを保有をしていて、上昇トレンドまっ只中。しかし、急激なドル安が襲ってきたら、現在の含み益はパーになってしまうかもしれません。

こういう場合にも、OCO(オーシーオー)注文が活躍します。

OCO注文の一定の利益を確保する注文の概念図

たとえば、米ドル/円=103円で買った後、105円まで上昇したとします。今決済すれば、2円の利益が確定します。

しかし、人は欲張りなもので、もう少し、もう少しと、ついつい期待を膨らませてしまいますね。

こうしたケースでは、たとえば107円まで上昇を期待するのであれば、107円での指値の売り注文と104円での逆指値の売り注文を同時に出します。

利益が確実に!

このケースでの逆指値の売り注文は、損失を限定する目的ではなく、含み益をできるだけ減らさないようにする為の利益確定の注文になります。

予想どおり米ドル/円=107円になったら、4円の利益が確定します。

もし、米ドル/円=105円から急激な変動で一気にドル安となった場合でも、104円で決済されますから、1円の利益が確定します。

すなわち、相場急反転のリスクを抑えることができ、どちらに転んでも、利益は確保されます。

OCO注文のデメリット

OCO注文は、利食い決済と損切り決済を同時に発注できるので便利です。

しかし、デメリットがないわけではありません。それは、新規注文を出して、実際にポジションを持ったら、改めて決済注文を出す必要があることです。

上の例でいうと、「新規ポジションを発注」のケースが該当します。

スキャルピングやデイトレードなどで頻繁に取引する場合、発注作業が何度も必要なのは面倒です。また、必要なクリック数が多くなると、誤発注の原因となります。

一般的な発注のケース

  • 成行注文等で新規発注する
  • 取引結果を見て、ポジションを持ったことを確認する
  • OCO注文で決済注文を出す
  • 意図通りに発注できたか確認する
  • 決済注文の約定後、結果を確認する

この手続きは、デイトレードでは面倒かもしれません。

そこで、成行注文で新規発注する際に、決済のOCO注文を自動的に出せるFX業者がいくつかあります。

新規発注時に、決済のOCO注文を同時に出す

成行注文で新規発注する際に、決済のOCO注文を同時に出せる場合、必要なクリック数は大幅に少なくなります。

上の「一般的な発注のケース」と比較してみましょう。

  • 成行で新規発注する
  • ポジションを持ったこと、そしてOCOの決済注文が出されていることを確認する
  • (一定時間経過後)決済注文の約定結果を確認する

クリックすべき回数が圧倒的に減っていることが分かります。

「新規に約定してから、どれくらい円安・円高になったら決済するか」という情報は、あらかじめ登録しておきます。こうすることで、実際の取引におけるクリック数を減らします。

IFD(イフダン)注文:売りと買いをセットで注文する方法

「IFD(イフダン)注文」は、一度に二つの注文を出して、最初の注文が約定したら二つめの注文が自動的に発動される注文方法です。

この注文方法は、基本となる「成行」「指値」「逆指値」の応用編になります。基本をマスターしていれば簡単です。

IFD注文の概念図(基本編)

たとえば、米ドル/円=105円で買うという注文を出す場合、「買った後、110円になったら売って決済する」という注文も同時に出しておきます。

つまり、最初の注文が約定したら、その反対売買の注文を自動で出すのが「IFD(イフダン)注文」です。

二つめの注文は、最初の注文が約定しない限り発動しません。

なお、指値注文と逆指値注文を使えば、IFD注文と同じ効果の発注ができます。

ただし、最初の注文が約定したら、決済注文を改めて発注する必要があり、少々面倒かもしれません。

IFD注文を使うと、この手間が不要。

また、ひとたび発注すれば、スマホやPCの電源を切っても有効に約定するので、時間を有効に使いたい皆様に向いた発注方法です。

利益確定パターン

IFD注文の利益確定方法図

現在、相場は米ドル/円=105円で上昇トレンドに転換した模様です。

106円になり、確実に上昇トレンドになったら買い(逆指値)、108円になったら売りで決済(指値)という「IFD(イフダン)注文」を発注します。

相場が予想どおり108円になったら、2円の利益を確定できます。

もちろん、110円まで上昇するケースもあるでしょうが、より高値を狙っているうちに反落して、利益がなくなってしまうこともあるでしょう。

利益獲得チャンスを確実にものにしたい場合は、「逆指値買い+指値売り」のIFD注文を出しておくことで、一定の利益を確保することが可能です。

損失限定パターン

利益確定パターンの例では、予想どおりに相場が動いてくれた場合のケースですが、相場はそうそう思うように動いてはくれません。

時には損失を出す場合もありますから、その場合でも損失は最小限に食い止めたいところです。

そうした場合は、「逆指値買い+逆指値売り」で損切りを確定する方法で注文を出します。

IFD注文の損失限定方法図

たとえば、上昇トレンドと予想して、買い注文を逆指値で出したとします。

相場が米ドル/円=105円の状態で、106円になったら買い(逆指値)、104円になったら売り(逆指値)という「IFD(イフダン)注文」を発注します。

相場が106円になったら買い注文が成約し、同時に、104円になった場合の売り注文が自動的に有効になります。

予想と反した相場の動きがあった場合でも、1ドル=104円になった時点で売り注文が約定しますから、損失は2円で確定します。

実際のチャートを使った取引例

ここで、実際のチャートを使った取引例を見てみましょう。下は、米ドル/円の1時間足チャートです(FXプライムbyGMOから引用)。

IFD注文の実例チャート図

為替レートが円安になる場合、なぜか赤線まで来ると反落してきました。そこで、今回も同じ値動きになると予想したとします。

この場合、チャート内の数字1部分で、売り注文。そして、売りのポジションを持ったら、数字2の位置で利食いするのが理想です。

この一連の注文をあらかじめ発注できるのが、IFDのメリット。ずっとチャートを眺めている必要はありません。

IFD注文の注意点

「IFD(イフダン)注文」は、同時に二つの注文を出せますが、一つの注文に対して決済方法は一つというルールがあります。

つまり、一つの注文が決済されたあとは、二つめの注文が発動されるわけですが、利益確定パターンで注文した場合、思惑と反対に相場が動いた場合の売り(ストップ)決済は、手動で行うことになります。

FXは、利益を最大限に引き出すトレードが理想ですが、”損失をいかに少なくするか”という視点がより重要になってきます。

特に初めてFXをされる場合は、損失を抑えるためのIFD注文から始めて、利益確定を手動ですることが候補になります。

IFO(アイエフオー)注文:3つの注文・2つの決済注文

「IFO(アイエフオー)注文」は、IFD(イフダン)注文とOCO(オーシーオー)注文を組み合わせた注文方法で、両者の特徴をそのまま活かした方法です。
最初にIFD注文が約定し、その後、自動的にOCO注文が発動される仕組みです。

IFD注文では、新規注文と決済注文を同時に発注できますが、決済注文は一つしか発注できません。一方、OCO注文は、一度に2つの決済注文が可能です。

IFO注文は、この2つを同時に使えます。
つまり、IFO注文で発注した場合、「新規注文」「利益確定の決済注文」「損切りの決済注文」を同時に発注できます。そして、新規注文が約定すると、二つの決済注文が自動的に有効になります。

では、4つのパターンで確認しましょう。

IFOの買い取引例-1【新規指値+利確+損切り】

現在、米ドル/円=106円だとします。105円になったら買うという指値注文を新規で発注しました。

IFO注文の買い方と決済方法イメージ(指値編)

一定の利益を確保するため、米ドル/円=107円になったら売りの指値注文、もう一方は損失を限定するため、104円になったら売りの逆指値注文を同時に出します。

このケースでは、予想どおり米ドル/円=107円になったら2円の利益が確定し、104円になったら1円の損失が確定します。

IFOの買い取引例-2【新規逆指値+利確+損切り】

現在、米ドル/円=104円50銭だとします。105円になったら買うという逆指値注文を新規で発注しました。

IFO注文の買い方と決済方法イメージ(逆指値編)

決済注文は、先ほどの利益確定と損失限定のパターンとまったく同じです。新規注文が、指値注文か逆指値注文かという違いです。

次に、売りの取引例です。買いと同じですが、図で確認しましょう。

IFOの売り取引例-1【新規指値+利確+損切り】

IFO注文の売り方と決済方法イメージ(指値編)

現在、米ドル/円=104円だとします。105円になったら売るという指値注文を新規で発注しました。

一定の利益を確保するため、103円になったら買う指値注文、もう一方は損失を限定するため、106円になったら売る逆指値注文も出します。

このケースでは、予想どおり米ドル/円=103円になったら2円の利益が確定し、予想とは逆に106円に振れたら1円の損失が確定になります。

IFOの売り取引例-2【新規逆指値+利確+損切り】

現在、米ドル/円=105円50銭だとします。105円になったら売るという逆指値注文を新規で発注しました。

IFO注文の売り方と決済方法イメージ(逆指値編)

決済注文は、上の利益確定と損失限定のパターンとまったく同じです。新規売り注文が、指値注文か逆指値注文かの違いです。

まとめると

IFO(アイエフオー)注文は、新規注文から決済注文まで、一度に発注できます。よって、為替レートをチェックする時間がない、パソコンの前に張り付くことができない場合でも、取引可能です。

IFO注文の留意事項

IFO注文は、為替レートが最初の発注レートに到達したら稼働します。

最初の注文が実現する前に、OCO注文で発注した為替レートが実現しても、何も起きません(発注されません)。

最初に新規注文が約定し、その後、OCOの注文が有効になるという流れです。

すなわち、為替レートが最初の注文位置まで来てくれるかどうかが、取引できるかどうかの決め手になります。

成行注文で始める場合、為替レートをずっと監視する必要があります。

IFO注文ならば、発注後に取引画面を閉じても、自動でトレードしてくれます。注文が約定するまでの間、別のことができますから、成行注文にはないありがたい機能です。

トレール注文:トレンドの後を追って注文レートが変化する決済注文

トレールとは「追いかける」という意味で、「利益を伸ばしたいけれど、相場が期待通りでなくても損失を限定したり、利食いで終えたりしたい」という場合に使える注文方法です。

損失確定のストップロス注文に利用されることから、トレーリングストップとも呼ばれています。

トレール注文は、相場の値動きに応じて、自動的に注文レートが変化する逆指値注文で、決済専用です。

ことばで表現すると難しいので、図を利用しながら確認しましょう。

買いポジション保有時の決済トレール注文

買い注文のケースでは、ストップロス設定した為替レートが、相場の上昇に伴って、予め設定した値幅で自動的に切り上がっていきます。

1度切り上がった決済注文のレートは、下がることはありません。

トレール注文での決済注文図(買いポジション編)

たとえば、米ドル/円=100円のときに買いポジションを保有したとします。99円で逆指値注文を発注し、差額の1円をトレール幅にしたとします。

もし、為替レートが上昇することなく99円になった場合は、その時点で逆指値注文が約定します。1円の損失です。

図のケースでは、上下動しながらも予想通りに上昇し、逆指値注文も同時に切り上がっていきました。

102円まで上昇した後、下がりだして101円になったところでトレール注文の売り注文が約定します。米ドル/円=100円のときに買っているので、1円の利益が確定します。

売りポジション保有時の決済トレール注文

売り注文のケースでは、ストップロス設定した為替レートが、相場の下落に伴って、予め設定した値幅で自動的に切り下がっていきます。

1度切り下がった決済注文のレートは、上がることはありません。

トレール注文での決済注文図(売りポジション編)

たとえば、米ドル/円=100円のときに売りポジションを保有したとします。 101円で逆指値注文を発注し、差額の1円をトレール幅にしたとします。

もしも相場が下落することなく101円になった場合は、逆指値注文が約定します。1円の損失が出たことになります。

図のケースでは、上下動しながらも予想通りに下落し、逆指値注文も同時に切り下がっていきました。

96円50銭まで下降した後、上がりだして97円50銭円になったところでトレール注文の買い注文が約定。米ドル/円=100円のときに売っているので、2円50銭の利益が確定します。

トレール注文の特徴

トレール注文は、利益額を事前に決めないトレード方法であり、相場が動くと、その分だけ利益も大きくなります。

極端ないい方をすれば、相場が同一方向に進むと、どこまでもついていくので、利益確定は永遠にしません。

ですから、頃合いを見て利益確定の決済注文を入れるか、相場の反転を待って、ストップロスにかかるのを待つかのどちらかになります。

手動トレールが活躍する場合

以上は、自動のトレール注文についての解説です。しかし、自動だと、少々厄介な問題が起きる場合があります。例えば、下のチャートの通りです。赤の矢印部分が問題です。

トレール注文がリスクとなるイメージ

為替レートは、上下動しながら動いていきます。たまたま、上のチャートの赤い曲線の通りに動いたとしましょう。ストップロス注文の位置を移動していなければ、損切りにならずに済みました。ところが、トレール注文を使ったために、損切りになっている様子を描いています。

こうなったら、面白くありません。
かといって、トレール注文を全く使わないというのも、少々もったいないです。可能なら、損失になるときは金額を小さくしたいです。

こういう時に活躍するのが、手動でトレールさせる方法です。
手動にすれば、上の図のような痛い状況を回避できます。為替レートがある程度上昇してから、手動で逆指値注文を移動していきます。

この方法は有効ですが、デメリットもあります。

それは、相場を監視し続ける必要があることです。よって、手動のトレールを採用するのは、時間に余裕がある場合に限られるでしょう。

ストリーミング注文:今見えているレートで約定させる注文方法

ストリーミング注文とは、いま目に見えている為替レートで約定させる方法です。

成行注文と違いがいまいち分からないという方もいるかと思います。
成行注文は、価格よりも、今すぐ約定することを重視する注文方法です。つまりリアルタイムで変動していく為替レートで約定します。

ですが、成行注文は注文のクリックをしてから、FX業者のシステムに電気信号が届くまでのわずかな時間に為替レートが変動する場合、変動後の為替レート(=スリッページ)で約定します。

以下からは、ストリーミング注文の仕組みや設定方法を解説します。

ストリーミング注文でスリッページが発生する場合

ストリーミング注文で発注後、FX業者で処理されるまでのごくわずかな時間に為替レートが変動する場合(スリッページが発生する場合)、以下の通りとなります。

  • ユーザーにとって有利なスリッページならば、約定する
  • ユーザーにとって不利なスリッページならば、約定させない

ただし、あらかじめ「許容スリッページ」を指定することができます。

これは、ユーザーにとって不利なスリッページがあったとしても、ユーザーが決めた一定範囲内ならば約定させるという設定です。

許容スリッページを設定すれば、約定拒否を減らすことができます。

スリッページ幅の設定

米ドル/円の表示レートが、(BID) 99.99-(ASK) 100.00 のときに、「スリッページ幅3銭」で設定して、「買い」を「ストリーミング注文」で発注した場合における、約定するケース、約定しないケースは、以下のようになります。100.01-100.022銭100円2銭で約定

方向提示レート(実勢値)発注時との差約定するレート
不利↑100.03-100.044銭設定幅以上の不利なレートにより不成立
100.02-100.033銭100円3銭で約定
100.00-100.011銭100円1銭で約定
発注時99.99-100.000銭100円で約定
有利↓99.98-99.991銭99円99銭で約定
99.97-99.982銭99円98銭で約定
99.96-99.973銭99円97銭で約定
99.95-99.964銭99円96銭で約定
設定幅以上の有利なレートにより成立
スリッページ幅の設定図

ストリーミング注文:実際の取引画面の例

スリッページ幅の設定画面(LIONFX)

上の発注画面で、ドル/円(USD/JPY)の提示レートは、81.181(BID)-81.186(ASK)です。

許容できるスリッページの幅を設定(上の図では0)して、提示されているどちらかの為替レートをクリックすれば、売買成立(約定)です。

  • 81.181(BID)をクリックすれば、81.181円で売りが約定
  • 81.186(ASK)をクリックすれば、81.186円で買いが約定

このケースでは「許容スリップ」を0に設定していますので、81.181(BID)をクリックして売ったと同時に表示レートが81.180に変動した場合は、約定しません。

81.186(ASK)をクリックしたときに表示レートが81.187に変動した場合も、約定しません。

ストリーミング注文で損切りをする時の注意点

急激な相場の変動によって、保有しているポジションと反対方向に動いた場合、損失を食い止めるための「ストップロス注文」をいれることがあります。

あらかじめストップロス注文をいれておく場合でしたら、そのレートに到達した時点で「逆指値注文」によって自動的に決済注文が出されるので、問題はありません。

問題となるのは、このストップロス注文を「ストリーミング」でやろうとする場合です。

相場急変時のストップロスは成行注文で!

ストリーミング注文を使って損切り決済すると、不利なスリッページが頻発するときには損切りそのものができなくなります。

そうこうしているうちに、スリッページ幅をはるかに超えて損失が膨らむ可能性があります。

多少のスベリは気にせず、成行で損切りしましょう。

「ストップロス=成行決済」となりますので、目視している為替レートと異なる数字で約定する可能性があります。しかし、約定しますので、安全度が高くなります。

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この記事を書いた人

イーストのアバター イースト Webディレクター兼トレーダー

・慶應義塾大学経済学部
・1級ファイナンシャルプランニング技能士
・証券アナリスト(CMA)
・証券外務員一種
・TOEIC895点

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