「スワップポイントってなんだろう??」
と疑問を抱えてはいませんか?
FXでは、保有している建玉(ポジション)を決済せずに保有し続けると、金利のようなものが毎日発生します。これを「スワップポイント」といいます。
実はスワップポイントは、受け取りだけでなく、支払うケースもあります。
この記事ではスワップポイントの仕組みや計算方法、注意点などを解説します!
スワップポイントが発生する仕組み
ポジションを決済しないで、翌日に決済を先延ばしすることを「ロールオーバー」といいます。
スワップポイントは、ポジションをロールオーバーすることによって発生します。
簡単に書きますと、私たちはFXで通貨の交換をしています。例えば、米ドル/円を買うという場合、私たちは円を誰かにあげて、代わりに米ドルをもらいます。
この際、通貨そのものだけでなく、金利も交換しています。この金利交換をする仕組みが、スワップポイントです。
この仕組みは、実は難しいのですが、そのメカニズムを深く知っておく必要はありません。
ポジションを決済しないで保有し続ければ、スワップポイントが毎日発生すると知っておくだけで十分です。
私たちは、スマホやケータイを毎日使いますが、その仕組みを知っている人はほとんどいないでしょう。知る必要がないからです。FXにおいても、同様に考えることができます。
とはいえ、大きなスワップポイントが欲しいですから、計算方法の基本を押さえておきましょう。
高金利通貨を買ってスワップポイントをもらう
FXが人気を集めている理由の一つに、スワップポイントがあります。金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買うと、収入を毎日得られます。
最初に、スワップポイントの計算方法を確認しましょう。2020年7月現在、トルコリラの金利が高いので、トルコリラ/円を例にあげて計算します。
スワップポイントの計算例
たとえば、円を売って1万トルコリラを買った場合、トルコの金利が8.25%、日本の金利が-0.10%だとすれば、
8.25%-(-0.10%)=8.35%が金利差になります。
為替レートが1トルコリラ=15円としてスワップポイントを単純計算すると、
毎日、34円をもらえる
■1年間に得られるスワップポイント
8.35(%)×15円×1万通貨=12,525円
■1日当たりのスワップポイント
12,525円÷365日=34円
という計算になります。
この算出例は、為替レートや金利を仮定して単純計算した金額ですので、FX業者が実際に提供する金額とは異なります。
取引を検討する際は、公式サイトでご確認下さい。
スワップポイントが3倍になる仕組み
一般的に、FXのスワップポイントは、ニューヨーク市場が終了した直後に毎日確定します。ニューヨーク市場が終了する時刻は、以下の通り、日本時間の早朝です。
- 夏時間:日本時間で午前6時
- 標準時間:日本時間で午前7時
FXでは、取引した日の2営業日後に受渡しが行われます。すなわち、月曜日の2営業日後は水曜日、木曜日の2営業日後は月曜日となります。
では、スワップポイントの受け渡しは毎日あるとして、土曜日と日曜日の分はどのように調整するのでしょうか。市場は閉まっているので、受け渡しができません。
この調整をするために、水曜日のニューヨーククローズ時(日本時間では木曜日の朝)のロールオーバー時に、土曜日と日曜日分をまとめて受け渡しします。
すなわち、スワップポイントが3日分もらえます。
スワップ3倍デーを狙うトレード手法
スワップポイント3倍デーの性質を利用して、あるトレードができます。その方法例は、以下の通りです。(ニューヨークが標準時間の場合)日本時間午前6時59分59秒くらいに、米ドル/円を買います。そして、日本時間午前7時00分01秒くらいに、全ての米ドル/円を決済します。
ニューヨーク市場が終了した一瞬の時点でポジションを持っていれば、スワップポイントの受け渡しが発生します。
上の取引例は、取引開始から終了まで2秒です。もっと短くできますし、長くすることもできます。
この場合、損益は以下の通りです。
- 利益:スワップポイント3日分
- 損失:スプレッド分
- 損益不明:為替レート変動
スワップポイントが大きければ大きいほど、3日分の金額は大きくなります。そして、コストであるスプレッドは、狭ければ狭いほど良いです。
為替レートは自分で制御できませんので、買って、決済するまでの時間差をできるだけ短くします。
この取引をするには、十分にスワップポイントが大きいことと、早朝のスプレッドの狭さが必要です。
よって、スワップポイントが小さい時には狙えませんが、大きいときには検討する価値があるでしょう。
スワップポイントは支払う場合もある
今までは、スワップポイントでプラスになる場合を考察しました。低金利の円を売って、高金利の外貨を買う場合です。
この逆パターンでは、スワップポイントを支払うことになります。つまり、高金利通貨を売って、低金利通貨を買う場合です。
日本の金利は世界の中でも最低水準ですから、ほとんどの通貨ペアで、買い持ちでスワップポイントを受け取り、売り持ちでは支払うことになります。
まとめ
- 低金利通貨を売って、高金利通貨を買うと、スワップポイントは受取り
- 高金利通貨を売って、低金利通貨を買うと、スワップポイントは支払い
スワップポイント狙いの注意点
FXでスワップポイントを狙う場合、長期保有することが多いです。と言いますのは、毎日もらえるといっても金額自体は小さいので、長期保有で蓄積させるためです。
1日100円でも、1年間だと36,500円になるということです。継続は力なり、です。
すると、スワップポイントと為替差益の両方を狙うことができます。
この両取りを狙う場合にも、損失リスクがあります。為替相場の変動によっては、損失が膨らんでしまうからです。
損失になる例
- スワップポイント:+1万円
- 為替差損益:△10万円
- 合計:△9万円
たとえば、トルコリラやメキシコペソは「新興国通貨」と呼ばれ、高金利であることから日本の投資家にも人気があります。
しかし、もともとトルコリラやメキシコペソのマーケットは小さく、そのため、大口の注文があった場合の相場は、一方向に動きやすくなってしまうという特徴があります。
高金利通貨を持っていると、スワップポイントを得られるという安心感から、相場の変動で多少の損失を被っていても、「また戻るだろう」という気持ちになってしまいがちです。
急激な円高に振れてしまうというケースでは、蓄積したスワップポイントが一気に吹き飛んでしまうということもあり得ます。
このリスクを回避するためには、レバレッジを低くすることが必要です。この場合、リスクが小さくなる分、リターンも小さくなります。